今やエルメスで革製品を買おうとしたら、よほど運が良くないと手に入らない。
購入履歴を挙げないと紹介されない・・など、それが当たり前になって、先日中国で中国人の方が2800万円も買い物したのにバーキンを紹介してもらえなかった話がネットで出ていました。
もう、おかしいって、この状況・・
昔はどうだったでしょう、今と違って、買うのは簡単でした。
高校でフランス語が必修だった。
それがきっかけかわからないけれど、若い頃はフランス熱が半端なく、仕事でも行く機会があった上に、仕事を休んでパリで働く人のためのが語学学校に留学に行ったりしていたので、年間何十日もフランスに滞在してました。
フランスばかりの独身時代でした。
仲良しの先輩が、私をしのぐフランス狂だったこともあり、一緒に語学学校に行ったりしてました。
この先輩は当時、今ほどエルメスが日本にはやっていなかったのに、ケリーは5つぐらいオーダーで作って持っていたし、小物もエルメス。
今聞いたらどんなセレブ?ですが、当時は逆にケリーはオーダーで作るのが主流で、ウインドウにもあったけれど、たいていは革のリストを見せられてオーダーでした。
しかも32センチ内縫いカーフケリーが28万円ぐらい!(オーダーで)
そう、昔は簡単にオーダーできて、革の色や質を選んで、これで作ってください~ってのが普通でした。
先輩は、ある時はかごの素材で作っていたし、革はもちろんいろんなサイズで。
今のエルメス事情を考えたら信じられないけれど、20代の若輩者も、普通にオーダーできて、28万円は当時にしたら大変な買い物だったけど、今の100万越えを思えば、働いていたら買えなくはないお買い物でした。
OLのお給料1か月分もするバッグを買うなんてと思ったけど、今買おうとしたら半年分のお給料をためないと買えないものになりました。
ここまでエルメスの価値が当たって人気が出たのは
エルメスの商品も一流ですが、商売こそ一流なんだと思います。
今、革物以外のアパレル商品を買わないと、革物を紹介してもらえなくなったエルメス
ごくたまに、革物を買えることはあるけど、それはかなり運が良かっただけで、基本は、担当さんを予約し、あれこれ買うと、担当さんから「バッグ見ますか?」といわれるのを待つしか、エルメスの革物を手に入れることは上顧客でもない限りは難しい。
いや上顧客は、革物以外をたくさん買ったから上顧客なんだから・・
すごい商法じゃありません?
エルメスの販売員の方は、おそらくキャリアなども年齢で違うし、入社時期でもパリに研修に行っていた人やそうでない方もいると思うので、知識量は一律ではないと思います。
また学ぼうという積極的な気持ちがあるかはエルメスに限らす、どんな職場でもその人の姿勢でその人の知識量は違うので一概には言えません。
ですが少なくとも私の担当の方は、10年以上前に海外で買って、今や廃盤になった色でも、私が持っているのを見て、ズバリ色の名前も当てるし、「廃盤ですが私も大好きな色でした。」と言われたりして驚く。
エルメスには貴金属も靴もアパレルも食器も革製品の小物は限りない種類あるし、特にスカーフの柄の種類はシーズンごとに増え続けるのに、品名で「これがありますか?」と聞いたら絶対、何のことかわかるところもその記憶のストックの多さに驚きます。
こういう知識のサービス料も含まれた値段なのかと思うことがあります。
また、過去に買ったものを個々に記憶していて、新しいものを進めるときに、「この前買った何々とこれがあうのでは?」とか、「あれは金具がシルバーだったので、これも合わせてシルバー金具の方を買うと使いやすいのでは?」と過去に買ったものの金具の色まで記憶して勧めてくださります。
また持っていたバッグが革がしなっと崩れていると、中に詰める風船のようなものを持ってきてくださり、選んでいる間、形を整えてくださったり、うまく負けていないスカーフ巻き直してくださったり・・
担当の方を予約してまで買いたいと思うのは、結局豊富な知識や相談に乗ってくださるからなので、そういう料金も込みの値段がハイブランドなのだと思います。
日本で、担当さん通さずフリーで買い物に行くと、選択肢が少ないことに驚きます。
いや担当さんがいても品薄です。
一部の半端ない上顧客さんたちにほとんど日本に入ってきたものは、先に青田買いされてしまうため、残り物を一般の人が分け合うので、常に品薄差を感じます。
ツイリーなんか、選択肢二桁あった試しが最近無いです。
ハワイの販売員の人が、ハワイのツイリーの多さに皆さん驚かれますが・・ってすごい種類で選びきれない。
ハワイは上顧客がいないため、みんなに平等に行き渡るから種類が豊富だということでした。
日本は、顧客にならないとお目当て品が入らないので必要ないものまで買って顧客になる人たちがいます。
そういう人が2次流通に売っているのを突き止めたブロガーさんがいらっしゃいました。
それがあるので、次回担当さん予約する時は、前回担当さんから買ったものを身に付けていかないといけないのは、私は自分で使ってますよというアピールになるからだそうです。
担当さんもせっかく紹介したのをリサイクルショップに流されていたら、やはりそれは本意ではないですから。
不要なものを買わないと欲しい物が紹介されない、不要だから売る・・
エルメスの独特な商法が産んだ闇・・でしょうか・・
銀座のメゾンエルメスに、職人の数が少ないことを理由に生産が間に合わず品不足が続いている説明書きが有りました。
同時に地方店舗を閉店させて、店舗数を減らして品不足を解消しようと言う感じです。
実際メゾンエルメスより地方店舗のほうが、革小物とかは手に入りやすかったりしていたので、実は狙い目でした。
銀座のように、無駄に買って購入履歴を積まないと変えない・・というのは地方店舗にはなく、ハワイみたいな感じだったのかもしれません。
そういう意味で残念です。
プリュムと、ビクトリアって形が似ているのになんで価格差があるか・・
その答えは、持ち手にあります。
ビクトリアや、ピコタンの持ちては一枚革を縁をろうで処理しただけのもの。
プリュムとか、100万円超えるバッグの持ちては、くるんで筒型にした持ち手です。
特にプリュムの持ち手のくるんだ感じに縫える職人の数は圧倒的に少ないそうで、価格差は、ほぼ持ち手が理由だそうです。
あのくるんだ持ち手を作れる少ない職人が作れる数が限られていて、また特別な職人しか作れないから高価何だそうです。
作りから言うと、バーキンやケリーよりプリュムが一番丁寧に作られたグレードの高いバッグだということです。
内側の革が、バーキンやケリーは切りっぱなしでろうで縁を固めており、プリュムは、くるんで切れ目を隠しています。
バッグの見えないところまで丁寧な処理をしたプリュムが実際は一番高級な仕上がりだそうです。