伊藤詩織さんが性加害にあった裁判は、その後他にも問題が発生しました。
松本人志さんが、この件について私見を述べていたことがブーメランになっていたり、杉田水脈自民党議員からの誹謗中傷裁判で伊藤さんが勝訴した件、そして現在、逆に伊藤詩織さんが元代理人弁護士から問題を指摘された事件など、次々新しい展開が続いています。
それぐらい性加害問題で勝訴したという面で女性側が守らえた第一歩にもなった事件でした。
杉田水脈議員の敗訴記事の詳細は、記事の最後に追加しました。
まず伊藤詩織の最終的には勝訴した裁判とはを簡単に言えば、元TBS記者・山口敬之氏に性暴力被害を受けたことを公表した所、日本の警察の対応などは女性に圧倒的不利なものであり、最終的に勝訴が認められるまでの長い4年間の戦いがありました。
密室での性加害は、松本人志の裁判もそうですが、証明が難しく、最終的には女性側が証拠不十分で泣き寝入りすることの多い案件です。
伊藤さんは諦めず戦い、勝訴を勝ち取ったという意味で、画期的な裁判で、伊藤詩織本人が監督を務めたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』が発表された。
この内容で、当時伊藤の代理人だった弁護士から内容変更を求めている。
防犯カメラ映像や、弁護士との会話を録音した内容まで入れ込んで完成した作品は、2024年1月『第41回サンダンス映画祭』の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門で上映されたが、作品内で使用されているホテルでの防犯カメラ映像は、“裁判以外で使用しない”とホテル側と誓約をして提供を受けたものだった上、西廣弁護士と伊藤さんの会話が無許可で録音され映画で流された事が不当と指摘を受けた。
現在当時の代理人弁護士から裁判で証拠として使った「裁判以外では使用しない」約束の映像を無断使用したことや、弁護士との会話を無許可で映像化されたことに対し、厳重注意を受けているが本人は不当ではないと主張し、両者の間でもめています。
2022年1月、ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏から性暴力を受けたとして損害賠償を求めた裁判の控訴審が有りました。
この件を当時『ワイドナショー』でコメンテーターを務めていた松本は、この判決について
「密室のことですしね、どういうやり取りがあって、どういう流れかはわからないですけど」と指摘。そのうえで、
「後日、彼女のほうが “嫌だった” “納得してない” って、思いだすのが嫌になるっていうことは間違いないですよね。そうなると男は謝るしかないですよね。これはもう男は謝るしかないんですよ、そう言われると」
と発言していました。
なのに現実は・・?
というのが話題になっています。
伊藤詩織さんの損害賠償事件とは一体どんなことだったでしょう。
裁判記録などによると、伊藤さんは偶然知り合ったTBSテレビの山口敬之・ワシントン支局長(当時、57)にインターンとして働く機会がないかとメールで尋ね、東京で夕刻に会う約束をしました。
最近は大学生も就職前にインターンという経験を経て、採用を決めてもらうことが一般となっているので、仕事を探す上でインターンの口を探すことはごく当たり前のことです。
2015年4月3日。串焼き屋とすし屋へ。山口氏はほとんど食事を頼まず、伊藤さんはビールやワインなどを飲んだ。「お酒には強い方」だが気分が悪くなり、トイレで意識を失った。気づいた時にはホテルでレイプされていた。
最終的には、東京高裁は山口氏に対し332万円の賠償命令を下しました。
ここにいたるまでの警察の対応、政治までが男性の見方をしようと邪魔をするなど、苦難に満ちた裁判でした。
以下でご説明します。
ここへ至るまでの道は決して容易ではなかった。
当時伊藤さんは、事件のとき、全力で抵抗して逃げ出し、5日後、意を決して警察へ。
おそらく直後はショックのあまり警察に行く気力もなかったためだと思われる。実際、レイプをされて警察まで行く女性は4%程度と言われ、殆どは泣き寝入りです。伊藤さんも最初は泣き寝入りする方向だったための5かというブランクだったのではないでしょうか。
警察に行ってから、警察の対応が被害女性にとって不利でしかない日本の悪い体質を思わされます。
被害を淡々と語る伊藤さんに刑事は、被害者らしさが足りないと言った。被害者らしさってそもそもなんでしょうか。
またある警察幹部は周辺に、「就職の世話をしてほしいという思惑がありしょせん男女のもめごと」と語ったとの報道がある。事実であれば、性被害を「日常的な問題」と軽んじていたようだ。
「日本における基本的な問題は、警察がまるでお決まりのように被害者の主張を疑うことから始めることだ。フランスでは、まずその人を信じたうえで、調査を始める」と、日本で働いた経験のあるフランス人の男性警察官は言う。
性暴力を受けた後に入った警視庁高輪署で伊藤氏が最初に聞いた言葉は、「諦めろ」というものだった。
その後の過程の中で、友人や家族、同僚を失うかもしれず、自分の人生もキャリアも捨てることになるかもしれない、と警察官はいい、多くの女性と同じように、「我慢」するようにと言われたのである。
レイプ被害の申し立ては立証が難しく、ほとんどの法制において肯定的な結末が見られることは滅多にない。
だが、伊藤氏はあきらめる代わりに、高輪署の男性警察官たちを説得した。捜査を終えた警察官たちが達した結論は、山口氏は逮捕されるべきというものだった。
にも関わらず、この努力は菅義偉官房長官に近しい中村格警視庁刑事部長(当時)によって阻止されることになる。その唯一の理由として考えられるのは、山口氏を日本の司法からかくまうことである。
元総理大臣まで努めた人が、一市民の訴えに圧力をかけるとは、日本は、地位ある男性は守る不公平な社会ですね。
その後、検察は山口氏の準強姦容疑を嫌疑不十分として起訴を取り下げるが伊藤氏は追求をやめず、最終的に勝訴となりました。
2015年4月、就職相談のため山口さんと都内で食事をした後、ホテルで性的暴行を受けたとして警視庁に被害届を提出。東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分とした。
2017年5月に、検察審査会に不服申し立てをしたが、同年9月、「不起訴相当」とされた。
その後伊藤さんは、望まない性行為で重大な肉体的・精神的苦痛を被ったとして、山口さんに慰謝料1100万円の損害賠償を求めて民事訴訟を起こした。
一方、山口さんは、不法行為はなかったと反論。自身の名誉を毀損されたなどとして、慰謝料など1億3000万円の損害賠償や謝罪広告の掲載を求めて反訴した。
レイプ裁判の場合、過去の物的証拠を出すことは難しい。
物的証拠がなかったがこの裁判が4年の年月を経て、やっと勝訴となったのはなぜか。
この裁判では、
(1)飲食店を出た時点で伊藤さんが深く酒に酔った状態であったことについて山口さんも認めていた。
(2)伊藤さんは被害直後から友人などへ被害の詳細について一貫した供述をしていた。
(3)2人を乗せたタクシーの運転手の証言があった。
などの事情がありました。
裁判所はこれらの要素によって伊藤さんの性被害の供述は十分に裏付けられていると判断し、伊藤さんの供述は信用できるとしたのです。
最終的には、東京高裁は山口氏に対し332万円の賠償命令を下しました。
松本人志さんが、今回の件を裁判で戦うとなると、弁護士によって、5年はかかるという人、1年以上という人など意見が分かれるが、先述の伊藤さんが4年かかったことを考えると、5年ぐらい掛かる可能性はなくないだろう。
5年も仕事を休んで、その後今まで通りに復帰するのは難しいいかも知れません。たまたま去年、そろそろ後輩に譲ってやめることも考えてるという発言もあり、島田紳助さんのように、これをきっかけにお金は十分あるので完全に芸能界には戻らず過ごされるパターンもあるのでしょうか。
島田紳助さんもたくさんの番組の司会を努めて、一気に他の人と代替わりをしましたが、新しい世代に番組を引き継ぎ不具合は結局なかったように思います。才能のあるカリスマ的な芸能人がいなくなっても、案外次の世代が自然に引き継いでしまい、あれほどまでお茶の間を楽しませた人がいなくなっても、何も変わらない、そんなものかも知れません。
松本さん側は名誉毀損で訴えてくるものと思われます。
弁護士の橋下氏は名誉毀損裁判について
真実でなくても敗訴の場合あり
その上で「難しいところは、真実でなくても、『真実相当性』があれば名誉毀損にならない(敗訴する)場合があることなんです」と解説。
他に多くの弁護士の方がこのケースについて持論を述べられており、今のところ多くは松本さんが不利なのではという見解のようですね。
新たに松本さんの飲み会で被害にあった他の女性たち証言も出てきて、その人は直後に友人に性接待をさせられた様子を自分だけでなく他の人もさせられたと当時LINEで送っている証拠も出てきているので、これは現実味がある証言です。
裁判が長引くほど、新しい証言が出てくる可能性もあり、ジャニーズとは別の芸能界の闇が暴かれるのでしょか。
自民党お騒がせ議員の杉田水脈議員からの誹謗中傷に対し、裁判をしていました。
2審で2024年2月8日勝訴しました。
伊藤さんは現在、英BBCなど海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信。自身の性被害を訴えた手記「BIack Box」は自由報道協会賞大賞を受けた。20年には、米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。
アフリカや東南アジアなど一部の国々で慣習として続き、女性への人権侵害とされる「女性器切除」を取材した経験を基に、ジェンダーの不平等について公演を行うなど自分の経験を活かし、人に伝える活動をされています。
私の直接の友人が、パーティーで知り合った男性に明らかに怪しいドラッグを使われ、意識を失い、その間に被害にあったという告白をされたことがあります。
その時は、そんな事あるの?違法ドラッグなんて手に入るの?と信じがたかったのですが、今思うと、こうやって友人に話しても警察まで行く人は4%しかいないというのは友人みていてわかります。
訴えるという様子は全く無く泣き寝入りしてました。
勇気ある4%が、これからもっと日本のおかしな法律、男尊女卑な社会を変えていってほしいと思います。