中国では上映禁止になった映画「盲山」
なぜ中国では上映が禁じられてしまったのでしょうか。
また中国政府が上映させたがらない映画のあらすじとは?
「#盲山」鑑賞。
— まみやま (@mamiyaman4) July 25, 2025
詐欺監禁暴行が、子供もいる前で当たり前のように繰り広げられる。屈服と隷属だけが掟の田舎社会。
塵のような希望に縋るほど絶望が深まる。自力も他力も救済どころか蟻地獄。
良心や倫理が"見えない"世界ほど恐ろしいものはない。小さな舞台に、人間の負の"ありのまま"を見た気分。 pic.twitter.com/4jXwOMav6J
現在日本で一か所だけで1週間だけの上映が話題となり、毎回満席。
急遽、上映期間が延長されています。
人身売買が課題の『盲山』のあらすじとは?
主人公の白雪梅(バイ・シュエメイ)は、大学を卒業したばかりの若い女性。
弟を学校に入れる為、職を探している彼女は、ある日「医薬品販売の仕事がある」と騙され、農村地帯に連れて行かれます。
ところが、その話は全くの嘘で、彼女は人身売買の被害者として山間の村に売られてしまいます。
一人っ子制度で男子の方が女子より多いため、結婚できない農村部の男子に、女性を騙して連れてきて結婚させるのが当たり前だった。

売られた先は非常に閉鎖的で、逃げようにも村全体が彼女の逃亡を防ごうと協力してくる。
村人から「殴れば大人しくなる」「子供ができれば逃げない」とアドバイスを受けた白雪梅の夫になった男は、家族の協力のもと、白雪梅を強姦する。
そして子供を出産する。
同じように花嫁として売られた他の女性から「言うことを聞いたほうが楽」「脱走するならみんなからの監視が落ち着くまで待つべき」と教えられ、昼間は炊事、洗濯、家畜の世話をして、脱走のチャンスをうかがい続けた。

そしてある時、洗濯中に脱走を試みたが、車で追いかけてきた夫らに捕まり、強制送還。
殴られてまた閉じ込められて、なかなか脱走できない。
そもそもなぜ、女性が嫁として人身売買されるのか?
中国は「一人っ子政策」をしていたわけだが、男は働き手として有用であることと、女は子供産ませるために成人を誘拐してくるから要らない、という考え方があり、女児が生まれると捨てられたりしているという。
そのため、中国は男女比が、男性の方が多く、女性が少ないから蹴っこない手が見つからない人が多い。
そういう相手はお金で嫁をどこかから買ってくるのだ。
白雪梅も14万円で売られてきたことが後からわかった。
何度も父に郵便を出すが実は届いていなかった
脱走を諦めていない白雪梅は、郵便配達員にこっそり父親宛の手紙を渡し、返信を待つが、実は郵便局員も村人の味方で、渡した父への手紙は、全て夫に渡されていたことを知る。
今まで何通も書いた郵便物が届いていなかったことに絶望する。
少年との出会い
そんな時、白雪梅は、お金がないから学校へ行けない少年に勉強をおしえるようになら、その子から手紙を出せば父に届くだろうとその子が手紙を出してくれる。
送った手紙がやっと父親に届き、父親が村にやってくる。
ついに父親が迎えに来るが・・
売られた家族に、「子供は置いていけ」と言われ、白雪梅と父親のみ警察の車に乗ることに。
やっと逃げれるかの思ったら、またもや村人たちに囲まれ捕まり、夫となった男に父とともに連れ帰られて暴力を受ける。
父に暴力をふるう様子に堪忍袋の緒が切れて、白雪梅は、その夫を殺害してしまい殺人犯となって終わる・・
🔴 中国政府が『盲山』を放映させない理由
本作は、中国国内で実際に起きている人身売買や農村部の女性差別問題を真正面から描いており、中国政府にとって非常に「不都合な現実」を暴露しているとみなされました。
主な理由:
- 人身売買の存在を描いている
- 中国では長年、特に農村部で「女性の買春・拉致・売買」が問題になっており、それをリアルに描いた本作は、国際社会への印象を悪くする。
- 地方政府や警察の腐敗・共犯関係を描写
- 主人公が助けを求めても、村人と結託した警察に突き返されるなど、「国家権力が機能不全である」という描写は、中国共産党の正当性に傷をつける。
- 女性の人権侵害に対する国際批判を呼びかねない
- 特に北京オリンピックを控えていた時期(2008年)ということもあり、「中国の闇」を見せる映画は排除された。
- リアリズム手法による”プロパガンダ否定”
- 政府主導の「農村部も発展している」「中国は平等な社会」などのプロパガンダと真逆の世界を描いているため、当局から見れば体制批判と受け取られる。
🔒 上映禁止・検閲の影
- 映画は中国国内で公開される前に、複数のシーンのカット・編集を強要されました。
- 一部の映画祭(カンヌやベルリンなど)では高く評価されましたが、中国国内では一般公開が非常に限定的 or 禁止されています。
日本では『盲山』の追加上映が決まる
シネマート新宿にて1週間限定で上映したら、すべて満席。
熱い支持を受けて3週間上映延期となった。
さらに9月5日(金)よりアップリンク吉祥寺、Strangerほか全国にて順次公開。
まとめ
中国の一人っ子制は、男子がいないと家を継ぐ者がいなくなり、お墓を守る人もいなくなる。
もちろん、働き口として、女性より力もあり重宝されることから、男子を子供として育てることが優先される部分があり、それにより、男女比が乱れ、結婚できない男子にはお金を払って妻を買うという事が起きたということは、難しい問題ですね。
人口が増えすぎて、いったん人口を抑えようとした対策が一人しか子供を持ってはいけない制度であり、その結果、女性が不要の様にされてしまった。
インドは身分社会が厳しく、やはり強い男尊女卑から女性より男子を産むことが得のようになっている。
そういう男尊女卑的な考え方は、まだ各地に残っているのかもしれないですね。
これとは別に、韓国人の男性が今日本の結婚相談所に8000人ぐらい登録して花嫁探しをしてるという驚きの報道がありました。
韓国の女性と結婚するより敷居が低いから、韓国だと結婚できない人が日本の相談所に殺到してると言います。
日本人男子が余ってしまうとこれまた危険なので、人口の問題は深刻ですね。