北海道江別市で男子大学生が集団暴行を受けて死亡した事件から、3週間がたとうとしています。
真面目で周りからも評判の良かった長谷知哉さんが、当時付き合っていた彼女ら6人から集団暴行を受けてなくなりました。
交際相手の八木原亜麻容疑者20歳と、友人の川村葉音容疑者20歳を中心に、川村容疑者の年下の彼を含む16歳から18歳までの未成年あわせて6人がすでに逮捕・送検されています。
公園で暴行を受け裸にされた状態で発見されるという残酷な事件でした。
亡くなった長谷さんは、今年8月から彼女ができたと友人に嬉しそうに話していたそうです。
まじめな性格故、せっかく付き合っていながら、自分の将来の進路を話す中で、江別市を離れなければならなくなること、それに伴い、就職したらあえなくなるので別れなければならないことを八木原容疑者に話しました。
これに対し、八木原容疑者は納得できない旨を同じバイト先の友人である川村容疑者に相談しました。
川村容疑者は陰キャと学生時代に友人に言われていましたが、キレると怖い性格であったことが友人からの証言でありました。
また男性関係も積極的で、現在の年下の彼(未成年)が、今回の暴行仲間の中にいました。
事件当日、長谷さんは彼女である八木原容疑者の家に訪ねてきました。
そこで別れる話に納得のいかない八木原容疑者は、川村容疑者に電話をかけ、近くの公園で会うことになりました。
事件はそこで起きました。
18歳の少年は、たびたび学校でもトラブルを起こし、暴行を加えた相手を裸にするのが好きだったといいます。
今回も裸でなくなっています。
八木原容疑者と川村容疑者を知る友人は、 八木原容疑者については、
「彼氏とけんかになって、電話した時にすごい怒ってるなって。強い口調になっているなというのを見たりしていた」
川村容疑者にについては、友達に何かあったら許せないからって。友達のためなら手を出しちゃうって感じで。やれるだけやっちゃう、葉音(川村容疑者)はそういうタイプだと証言してます。
川村容疑者は長谷さんに「八木原に対し、謝ってもらおうと思っていた」と話しているようです。
傷害事件として調べるうちに、市内のコンビニのATMで現金を八木原容疑者を除く5人が、長谷さんのキャッシュカードで現金数十万円を下ろしている様子が防犯カメラに写っていました。
これに関して現金を下ろした後にみんなで分け合ったと認めている。
実は暴行中にキャシュカードの暗証番号を聞き出して、彼女以外の5人でお金を引き出しに行ったのだ。
女性二人は、それとは別にうばったクレジットカードで買物をしている。
人がなくなっているのに、そのあとに買い物をしたりお金をおろしたりという冷静な行動に、発作的にやってしまったというより、計画性があった可能性も考えられますね。
間もなく拘置期限を迎えます。
懲役3年以上の「傷害致死」か、それとも、より罪の重い「強盗致死」か、検察の判断が注目されます。
現在傷害致死事件として捜査が行われてきました。
ところがその後、男女関係のもつれ意外に、奪ったお金をおろして分け合ったり買い物したことが分かったため、強盗殺人の可能性が出てきたことで、状況はさらに緊迫してきました。
傷害致死:3年以上の有期懲役
強盗致死:無期懲役または死刑(19歳以下は死刑なし など緩和)
今回八木原亜麻と川村葉音二人は20才なので、死刑の可能性もある
少年たちは16から18才なので緩和される
元検察官の中村浩士弁護士が以下のように解説されています。
最初から金品を奪う目的で暴行を加えた。
あるいは途中で暗証番号を聞き出そうと、それ目的で暴行を加えたか、暗証番号を聞き出したあとも金品を奪取しようという意思のもとに暴行を加え続けたとすると『強盗致死罪』。
法定刑は基本的には死刑、または無期懲役しかない重たい罪の成立というのが考えられる」
注目点①
「強盗致死」を立証するためには、“分配された現金を受け取っていたのか”も重要。
注目点②
犯行の関わり方について、「直接の暴行」か「暴行を黙認」などによって、罪の重さや種類が変わる。
キャッシュカードでお金をおろした後に、そこにいた5人で分け合ったと証言しているので、現金を手にしたみんなが、強盗の対象になる。
この時、八木原容疑者だけ抜けていた。
ところが、亡くなった彼のクレジットカードを使って、八木原容疑者も川村容疑者と一緒に使って買い物をしているため、6人共強盗の罪になる可能性が十分ある。
女性たちに関して直接暴行か、川村容疑者は見ていただけという発言もしているようだが、この辺りも実際はまだ定かではない。
障害致死と強盗致死では全く罪が違うため、それぞれがどういう罪として判決を受けるかは検察次第である。
最悪なケースでいうと、女性二人は成人しているため強盗殺人致死となった場合、無期懲役、もしくは死刑になる。
少年たちは未成年のため、罪が緩和されることになる。
同時期に起きている裁判に「紀州のドンファン元妻の殺人疑惑裁判」がある。
こちらは元妻が、「完全犯罪」や「薬物で死亡させる方法」などをたくさん検索して調べていたり、財産目当ては本人も認めている結婚の上、薬物で死亡した事故国8回も夫のいる2階に行き来していることから死亡時刻にそばにいたのが彼女だけの上、普段ほとんど会いに行かないのにこの時8回もということで、財産狙った殺人の疑いの裁判になっている。
ここまで悪女でありながら、こちらは強盗ではないため、極刑は免れ、意外に少ない刑期で出てこれるという見方もある。
北海道の学生の暴行致死は、かなり一時的で衝動的な殺人だったが、極刑である死刑の可能性があることは、当事者も想像していなかっただろう。
かたや、綿密な殺害計画を立てたと思われる紀州のドンファンの殺害事件は、強盗ではないため、死刑や無期懲役はないという。
いずれにせよ、人の命を奪った代償が軽くてはならない。
加害者が死刑になろうと遺族の気持ちが晴れることはないが、人の命を軽く考えたら大変なことになることを、世の中のみんなが確認することで犯罪が少しでも減るなら、極刑を言い渡すことには意味があるかもしれない。
また、たまたま未成年だったために刑が軽くなった少年たちが、「ラッキー!」で終わらないことを祈ります。
今後の検察の判決を見守りましょう。