薬屋のひとりごとの第2期が終わり、続編が、今後続くことも発表されています。
「舞台は新たな地へ」
おそらく来年に、続編がスタートすると思われます。
実際アニメ第2期は、小説版では、まだ4冊目あたりまでのストーリーで、現在小説は15巻も出ているため、今後、かなり長期にわたって、続いていきそうな気配です。
予測される続編(第3期)として小説第5巻・第6巻の流れに沿って詳しく解説します。
これまでの穏やかな展開から一転、重大な危機と二組の恋愛関係の進展が同時に描かれる濃密なストーリーが展開されることが予測されます。
予告で楼蘭妃が壬氏にメモ書きを渡してから、散りに行く所が描かれており、このメモに書かれた内容が事件として描かれていくようです。

蝗害の予兆:国を揺るがす災害の兆し
物語は、子の一族との戦いを終え、花街の薬屋として平穏な日々を送る猫猫の日常から始まる。
子の一族で、仮死状態にされた子供たちは、無事、蘇る。
きょうう(一度死んだものなので、新たにちょううと言う名前に代わる)だけが、記憶喪失になり、障害を残したため、他の子供たちは阿多(アードゥオ)妃に預けられ、きょううだけが、猫猫のもとで保護される。

ちょううは、子の一族だったので、日常にイナゴを食べる習慣があった。
ある日、技女の親方が持参したスカスカのイナゴを食べた際、きょううが、「イナゴがスカスカだと不作になる」という言い伝えを過去の記憶で思い出し、猫猫にそれを伝える。
つまり、この先に蝗害(こうがい)の被害が起きることを猫猫は気づく。
蝗害とは、バッタが大軍を成して農作物を食い荒らす災害で、昔の人々は天災を天罰と捉えていたため、皇帝の政治体制が悪いから、災害が起きると考えられていた。
つまり不作が起きると、皇帝の政治に批判が生じる為、放置できない事態だった。
猫猫の不安は的中し、すでに北の農村部では小規模な蝗害が発生しており、これが大規模災害の前兆であることが判明する。
さらに壬氏も、楼蘭妃が最後に、ここに書かれてることはこれから起きることだとメモ書きを渡して自らが、敵に打たれて散るのだが、そのメモにも同じことが書かれていた。
壬氏は、猫猫からの報告で、楼蘭妃のメモに書かれた内容が真実であることを確認し、事態の解決に向かうことになる。
そのため、三門から皇帝として蝗害対策を任されることになり、多忙を極める状況に追い込まれる。
猫猫は花街に訪れた壬氏の疲れた顔を見て、心配して壬氏のために寝床と技女を用意するものの、壬氏は技女の接客を拒否し、代わりに猫猫に子守唄をリクエストして眠りにつく。
猫猫の歌声に安らぎを見出す壬氏の姿からは、二人の関係が徐々に変化していることが窺える。
またこの煮え切らない二人をドアの隙間からやりてばばあと、ガオシュンがのぞき見して心配して見守っている姿が笑えるのだ。
白娘々の独演会:謎の錬金術師の暗躍

花街では、人の心を読むという白子(アルビノ)の舞台が話題となっていた。
白娘々(パイニャンニャン)と名乗るこの女性は、観客の前で数字を言い当てたり、銀を金に変えるなど、魔法のような技を披露していた。
話題に興味を持ち、猫猫はこの超能力ショーのようなものが開かれることを知って、さっそく見に行く。
しかし、猫猫は冷静にこれらの現象を分析し、白娘々の技が妖術ではなく、錬金術や音響技術を用いた巧妙な演出であることを見抜く。
さらに問題となったのは、白娘々が舞台の最後に水銀を飲むという危険な演出を行ったことで、これを真似した民衆の間で水銀中毒事件が発生してしまう。
白娘々は騒動を起こした後、都を去ってしまい、その目的は謎のままとなった。
この事件は後の展開で重要な意味を持つことになる。
西都への旅:壬氏の嫁選びの宴という名の策略
蝗害対策に追われる中、壬氏は突然猫猫を連れて遠出することを決める。
表向きは薬師の故郷での問題解決が目的とされていたが、真の目的地は西都であり、そこで開催される壬氏の嫁選びの宴に参加することだった。
この宴には、猫猫に加えて里樹妃も嫁候補として参加していた。
里樹妃は家柄は良いものの三門の妃としては清楚すぎるとされ、まだ皇帝の寵愛を受けていない。
実際皇帝からしても娘のように感じていたことが解り、下肢して壬氏の妻になる話が持ち上がっていた。
壬氏の嫁選びの宴:陸遜の挑発で壬氏が嫉妬・里樹妃を救う馬閃
宴では、壬氏が事前に猫猫に送った月と辛夷を形作った銀色の簪が注目を集めた。
嫁候補の女性たちは、みな壬氏の気を引こうと必死だったが、壬氏には猫猫以外は目に入らず、かんざしを今回も送っていた。
かんざしの月は皇帝の象徴であり、美しいが毒性を持つ辛夷は猫猫の特徴を表現したものだったが、当の猫猫は全く気づいていなかった。
そんな鈍感な猫猫を面白がった陸遜が、突然猫猫をダンスに誘い、踊りの最後に猫猫の手に口づけをするという挑発的な行動に出る。
陸遜:猫猫の父の羅漢の副官で直属の部下

これは壬氏の嫉妬心を煽るための当て馬としての行動だったが、効果は絶大だった。
宴の演出として登場した獅子が檻を破って暴れ出し、里樹妃を襲うという事故が発生したが、力持ちの馬閃(ガオシュンの息子で壬氏の幼馴染)の活躍により里樹妃は救われる。
西都に来る途中にも、怪しい盗賊に襲われ、その際も里樹妃は、馬閃に助けられる。
この出来事をきっかけに、馬閃と里樹妃の間に恋愛感情が芽生え始める。

壬氏の猫猫への愛情が爆発
宴を抜け出した猫猫を追った壬氏は、猫猫が里樹妃を嫁に薦める発言をしたことに激怒する。
壬氏は突然猫猫の首を絞め、口づけを交わし、「お前だって候補の一人だ」と告白。

さらに陸遜との踊りについて追及し、再び激しく猫猫の唇を塞ぐ。
しかし、猫猫はとっさに緑青館の3姫のアドバイスを思い出してしまう。
花街で3姫から、常に男性よりも自分が主導権を握るよう教えられ、口づけの仕方を習っていたのだ。
思いがけず、花街仕込みの「匠の技」を披露し、逆に壬氏を翻弄してしまう。
余裕の笑みを浮かべて去っていく猫猫に対し、壬氏は完全に骨抜きにされてしまう。
この場面は、アニメ3期の大きな見せ場になることが予想される。
羅の一族のお家騒動:過去の因縁と現在の対立

西都での滞在中、猫猫は羅漢により羅漢の父親である羅門や羅漢の実の両親・兄が住む農村の屋敷に連れていかれる。
この屋敷は、羅漢が一族の当主になった際に羅門当主が本家から追いやられた場所だった。
羅漢の母と祖父である前当主は羅漢を恨み、家督を奪い返すことに執念を燃やしていた。
彼らは都にいるはずの羅漢を誘拐し、さらに猫猫と羅漢も監禁してしまう。
しかし、羅漢の父が制止し、リクソンの応援もあって、全員無事に解放される。
この騒動を通じて、羅漢が本来の精神状態を取り戻し、一行はようやく都に戻ることができた。
白娘々の正体:スパイ網の中心人物
都に戻った猫猫は、毒キノコによる食中毒事件を解決する過程で、白娘々の正体に迫ることになる。
画家が描いた白い髪に赤い目をした少女の絵をきっかけに、猫猫は白娘々の居場所を突き止める。
調査の結果、白娘々は鳩を使って都の機密情報をやり取りしており、その背後には西王の密偵であるアイラがいることが判明する。
一方、もう一人の西王の密偵であるアイリンは、何らかの理由でアイラと対立関係になり、亡命を決意して壬氏や羅漢と交渉を重ね、中級妃の地位を手に入れていた。

白娘々は西王の権益のために中央をかき乱していたのであり、嫁選びの宴で、たびたび里樹妃が獅子に襲われたり、盗賊に襲われたりした事件は、事前に入手した情報を基に白娘々に計画されたものだった。
里樹妃に続く苦難と白娘々による工作
西都から帰還した里樹妃は、旅の疲れで月経が遅れており、後宮に戻れずにいた。
上級妃として一度後宮の外に出た以上、妊娠していないことを確認する必要があったからだ。
猫猫の検査により里樹妃の潔白は証明されたが、元侍女頭が仕掛けた罠により、里樹妃は不貞を疑われて幽閉されてしまう。
元侍女頭は下女を利用して偽の恋文を作成し、里樹妃が他の男性と関係を持ったかのように工作していた。
さらに悪いことに、里樹妃の隣の部屋に幽閉されていた白娘々が、里樹妃に近づき、徐々に心を開かせながら幻覚剤を使って精神を錯乱させ、最終的に里樹妃を屋上から飛び降りさせてしまう。
命を賭けた愛の表現 馬閃と里樹妃の恋

屋上から落下する里樹妃を、馬閃が身を挺して受け止める。
またしても里樹妃を救ったのは馬閃だった。
馬閃は大怪我を負いながらも里樹妃を無傷で守り抜き、「自分を責めないで欲しい」「あなたに幸せになってもらいたい」と優しく語りかける。
この言葉に心を動かされた里樹妃は、馬閃の胸で大泣きしながら感謝の気持ちを表現する。
誰も信じられない状況の中で示された馬閃の無償の愛に、里樹妃は深く感動したのだった。

皇帝は里樹妃に一年間の謹慎を言い渡す一方で、里樹妃の命を救った馬閃には「望むものを何でも与える」という褒賞を授け、一年間の猶予期間を与える。
これは実質的に、馬閃が里樹妃を望むなら結婚を許すという意味だった。
薬屋のひとりごと 第3期は二組の恋愛を描く
一見落着し、花街の薬屋で何気ない会話を交わす猫猫と壬氏の姿が描かれる。
壬氏は猫猫の弱点である背中をくすぐりながら、「まだまだ仇は返していないからな」と勝ち誇った笑みを見せる。

これは嫁選びの宴で披露された猫猫の花街仕込みの技への仕返しだった。
蝗害の問題はまだ解決しておらず、二人の恋愛関係も発展途上にある。
しかし、少しずつ距離を縮めていく不器用な二人の関係性には、確実な変化が見て取れる。
一方で、馬閃と里樹妃のロマンチックな恋愛模様も、アニメ3期の大きな見どころとなることが予想される。
アニメ3期では、国家的危機である蝗害、複雑な政治的陰謀、そして登場人物たちの恋愛関係の進展が絡み合い、これまで以上にドラマチックで緊迫感溢れるストーリーが展開されることになるだろう。