昨年秋に、団員の一人が、上級生からのパワハラを理由に、命を落とす事件がありました。
これを受け昨年から遺族側と歌劇団側は何度も話し合いを重ねてきました。
今年に入り、少し前進が見られましたが、それは家族が納得するものから遠いものでした。
多くの退団者が続き、宙組だけ他組より10人以上少ない60人に。(退団者名は下に記載)
6月20日9カ月ぶり上演再開予定
パワハラが放置された理由は、劇団にとって好都合だったためと見られる。
3月末に彩妃花、葉咲うららが退団
5月7日、宝塚歌劇団は宙組所属の生徒2名がこの日づけで退団したことを発表
5月21日の宝塚歌劇団の発表で、今回退団したのは、舞こころと陽彩風華。
さらに雪組の一禾(いちか)あお、清見ひかりが、同日付で退団。
一禾というのは昨年9月3日に亡くなった宙組娘役・有愛きいの双子の妹
一禾(いちか)あおさん
友愛きいさんの急死をめぐって、遺族側はかつてより上級生らからパワハラを受けていたことを主張。
パワハラの存在を認めない劇団側と争っていたが、事件から半年以上経った3月28日、やっと劇団が14項目のパワハラがあったことを認め、合意文書を締結しました。
遺族代理人として会見を開いた弁護士によると、パワハラには宙組の幹部上級生4人、宙組上級生は3人、劇団プロデューサー2名、演出担当者1名の合計10名が関与していたと発表。
それらの加害者から遺族への謝罪は手紙形式で行われたというが、まだ3名からは手紙は提出されておらず、「提出しないと受け止めている」としていた。
また、ヘアアイロンで髪を巻こうとして額にやけどを負わせた幹部上級生については、劇団側の代理人は、きょうの合意文書締結には間に合わなかったが、今後謝罪文を提出予定だと説明したという。
(双子の妹とのツーショット写真 美人姉妹です。)
亡くなった方の妹が、内情もよく把握している上で以下のようなメッセージを歌劇団側に書いたものを読み上げられました。
以下、全文ではなく要点を引用します。
劇団員は宝塚歌劇団が作成した【パワーハラスメントは一切行わない】という誓約書にサインしています。
それにもかからわず、宝塚歌劇団は、日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界です。
その世界に今まで在籍してきた私から見ても、姉が受けたパワハラの内容は、そんなレベルとは比べものにならない悪質で強烈に酷い行為です。
厚生労働省のパワハラの定義を見れば、姉が受けた行為は、パワハラ以外の何ものでもありません。
劇団は今に至ってもなお、パワハラをおこなった者の言い分のみを聞き、第三者の証言を無視しているのは納得がいきません。
劇団は、生徒を守ることを大義名分のようにして、パワハラを行った者を擁護していますが、それならば、目撃したパワハラを証言してくれた方々も、姉も同じ生徒ではないのですか。
そもそも【生徒】という言葉で曖昧にしていますが、パワハラを行った者は、れっきとした社会人であり、宝塚歌劇団は一つの企業です。
企業として、公平な立場で事実に向き合うべきです。
劇団は、「誠意を持って」「真摯に」という言葉を繰り返して、世間にアピールしていますが、実際には、現在も遺族に誠意を持って対応しているとは思えません。
これ以上無駄に時間を引き伸ばさないでください。
大切な姉の命に向き合ってください。
この文面を見て最初に驚くのは、わざわざ「パワハラは行いません」という誓約書があることだ。
一般企業で、このような誓約書を書かされる企業があるだろうか。
それほど日常に伝統的に行われていることを、歌劇団側が把握しているということだとわかります。
最近まで内部で働いていた人の告発で、パワハラ体質は歌劇団側に好都合なため、この体質を影で応援していたところもあることがわかった。
最近まで歌劇団内部で働いていた女性の話として驚いたことがある。
上下関係と慣習でがんじがらめのようだが、こういった慣習(パワハラなど)は運営側としては 好都合のようだというのである。
「団員の名簿はあいうえお順ではなく、歌やダンスなどの成績順で作られています。団員同士の優劣が一目瞭然なので、そうとうなプレッシャーです」
「劇団には毎年、宝塚音楽学校を卒業した40人前後が入団してきますから、辞めないかぎり団員は増え続けます。
運営側としては団員を過酷な環境で競い合わせて、実力を高め合い、一握りのトップスターをつくり上げたいんです。
入ってくる新人の数だけ、退団者がいないと運営しづらくなるという内部事情もあるようです。
上司から「うちのプロデューサーは毎年40人を辞めさせるのが責務だ」と聞かされました
他企業でも女性の職場で同じような企業の悩みは聞いたことがあります。
宝塚歌劇団だけではない、フレッシュな女性を循環させたい職種の企業ではありがちな体制かもしれない。
歌劇団卒業生からの情報で、いじめられて困ったことを演出家に相談したところ、
上級生に言いつけられて、余計にいじめられて大変な目にあったという証言も有る。
上に立つものは下を守るどころか、弱いものは、排除することも上司の役目という部分があったと先のスタッフの証言を思い出す。
『週刊文春』は、続報で劇団の大物演出家のセクハラ疑惑についての証言も詳報している。
演出助手だった男性が、宝塚の小池修一郎氏から受けたせくはらを告発しました。
温泉に誘われ、夜になるとベッドに入ってきて関係を迫られたそうです。
小池氏は、タカラジェンヌに対するパワハラも有名で、「出ていきなさい!」と怒鳴り、「脚が短い!」と侮辱することもあるということです。
悲劇のあとにやっと、声を上げられなかった人たちが声を上げ始め、少しづつ正しい方向に動き始め他とはいえ、遺族が納得できる日が訪れることはもう無い。
双子で難関宝塚に合格した日の家族の希望に満ちた喜びの日を想像すると、胸が痛くなる。
ここまで公になっても実際中の様子は変わっていないと指摘もある。
長年の慣習を変えることの難しさがある。
舞台で観客を夢のような世界に引き込んでくる宝塚歌劇を作る団員の心の平和が当たり前になる日が来るよう祈ります。