公判でもカネのための結婚だったと堂々と明かした須藤被告。
さらに印象的だった須藤早貴被告の人柄を表す言葉がある。
被告人質問で夫だった野崎さんに対し、本人が目の前にいるとして言いたいことを言うように言われたとき
「もうちょっと、死に方を考えてほしかった。社長がこのタイミングで死んだせいで、私は何年も人殺し扱いなので。クソ」
検察からの質問に答えるとき、しばしばこうした感情的でかつ友達同士の会話のような言葉で答えることが多かった。
公の場、裁判の場で、「クソ!」という感じの言葉を何度も使っている。
検察の求刑に反し無罪になったのはなぜか
今回は最終的に麻薬を過剰摂取したいきさつが立件できなかったために、もしかしたら本人の誤飲の可能性もゼロではない・・などという可能性が低くてももしかしたらを重視した判決だった。
また、須藤早貴が渡した麻薬は氷砂糖だったかもしれないという理由もあった。
ただ、かわいがっていた犬のお別れの会をみんなで開く準備などを進めていたタイミングで、少なくとも自殺はないし、飲むにはかなり苦いという麻薬を自分の意志で過剰摂取することもあまり考えにくい。
状況証拠は、検察が殺人でも一番重い罪を課すぐらい十分にあった。
検察側は須藤被告が薬物を購入したとする元売人の証言など、多数の状況証拠を積み重ねた。
「楽をして遊ぶためのお金を得るためという動機は、極めて悪質で、人命軽視もはなはだしい」などとして、無期懲役を求刑。
それを裁判員という一般の人たちの意見がすんなり覆したのだ。
証拠集めに相当な力を使ってきた検察から見たら、検察の完全敗訴とも報道されたことには、納得したのか気になる。
須藤早貴は別件で懲役中のため、すぐに自由に離れない間に変化も・・
現在、須藤早貴は別件で懲役刑中のため、すぐに遺産相続もできず、まだ監視下に置かれて過ごすため、その間に、また控訴される可能性もあると言う。
また控訴された場合、判決が変わる可能性もまだあるようだ。
少なくともすぐに遺産相続されて、ドバイの税金や、高級マンションの検索を繰り返していた須藤早貴が、そのお金で高跳びしたり、高級マンション買ったりして、願った通りのお金目的の結婚の夢を成功させることはないようだ。
遺産相続も、懲役中に代わる可能性が指摘される。
いまだ親族からの異議申し立てがあるため、懲役中に、須藤早貴の相続額は変化があるかもしれないようだ。
証人尋問の中の、紀州のドンファンの元妻が、「どんな人であったとしても、殺されるようなことはあってはいけない」と涙を流したのが、心に残る。
裁判員裁判でなければ違う判決だったかもしれないといわれた
須藤早貴と知り合って半年もたたないうちに亡くなってしまった野崎氏。
愛犬のお別れの会なども積極的に準備していた野崎氏が、間違って致死量ほどの量の麻薬を飲むようなミスをするだろうか。
当時はこの愛犬の急死すら、不自然だと問題になった。
また野崎氏が亡くなった時間に8回も野崎氏のいる部屋に足を運んだ妻が、亡くなるまで異変に気付かないことがあるだろうか。
裁判員裁判は、自分が誰かの人生を背負いたくないから自分のために、無難な判決を選ぶことはないのだろうか。
疑わしきは罰せずで仕方ないという見方も実際多く聞かれる。
しかしなんかすっきりしないという意見も多い。
裁判でいろんな犯罪者を見てきた検察の目で一番重い刑を求刑するというのは相当な検察も覚悟のあった判断だったはずである。
それを覆してしまった素人の裁判員たち。
やはり法曹界の人たちを驚かせた判決だったようだ。
疑わしきは罰せずで終わるのか・・
今回は直前に別件で懲役刑が確定していたため、須藤早貴がすぐに自由になり、遺産相続も死という運びにストップをかけた。
決定的な証拠が集められなかったのが今回の検察の判断を覆した。
ただどんな犯罪も、証拠のすべてが出てくるとは限らない、むしろ出てこないことの方が多いかもしれない。
それでも、疑わしきは罰せずという考えが今回は受け入れられた形だ。
死人に口なし・・
野崎氏は天国で何を思うのか。